機能安全

機能安全とは?

事故などのリスクに対して、原因そのものを低減、あるいは除去することを本質安全と言います。
対して、機能的な工夫を導入することで、許容できるレベルの安全を実現することを機能安全と言います。

機能安全では機能が正しく動かないと安全ではなくなってしまうため、機能の安全性は非常に重要なものとなります。
安全性が高い機能や製品を開発するため、有用な管理方法や設計手法などを要求事項として定めたものが機能安全規格となります。

例1 リスク「電車と車の衝突」

機能安全規格の必要性

機能安全規格の必要性のイメージ

機能安全規格は様々な製品分野で策定されており、年々増加しています。
自社の製品分野に対して機能安全規格が存在する場合、機能安全規格への対応には以下のような必要性・メリットがあります。

1.販売のための法規対応

各国によって、機能安全対応規格に対応していない場合、販売できない製品が存在します。自社製品を世界で販売するためにも、機能安全対応が必要となります。

2.自社製品の安全性アピール

競合他社の製品が機能安全規格に対応していない場合、自社製品のみが機能安全規格に対応することによって、国際規格に準拠できているという安全性をアピールすることができます。

機能安全における故障と対策

機能安全における故障と対策のイメージ

機能安全には2種類の故障があります。
1つ目はランダムハードウェア故障です。
その名の通り、過負荷や劣化などにより、ハードウェアが壊れることです。
2つ目はシステマティック故障です。
仕様の誤りや設計ミス、テスト漏れなどにより、ソフトウェアバグや回路ミスが製品に入り込んでしまう事です。


機能安全に対応するためにはこの2種類の故障に対して対策が必要です。
対策にも大きく2種類があります。
1つ目は安全設計です。
故障検出機能や冗長設計などにより、故障や異常な振る舞いを検出します。主にランダムハードウェア故障に有効です。
2つ目は開発プロセスです。
誰にでもわかりやすい適切な設計手法や管理方法などを適用することで、ミスや漏れを低減します。
主にシステマティック故障に有効です。


機能安全に対応するためには、2つの故障を洗い出し、目標とする安全度水準に適切な2つの故障対策を適用しなければいけません。

安全設計(安全コンセプト)

安全設計(安全コンセプト)のイメージ

安全ゴールを達成するための対策として安全機能を設計しなければなりません。安全設計は製品の本来機能のリスクを低減するための役割を担います。安全機能はアーキテクチャの冗長性、検出時の挙動など、様々な要求を機能安全規格から求められます。
また、安全機能の故障=リスク低減策の消失となるため、それを防ぐために安全機能に対して故障検出を行う必要があります。この故障検出の検出カバレッジ (Diagnostic Coverage) が、安全度水準の達成に大きく関わります。故障検出の手法および検出カバレッジは機能安全規格に規定されているものを使用するか、自ら考案し検出カバレッジを計算する必要があります。

安全プロセス

安全プロセスのイメージ

機能安全では、システマティック故障の発生を減少させるために、誰でも同じ品質の成果が出せるような開発ルール=安全プロセスを構築・実行するという考えがあります。このために、機能安全規格では、様々なアクティビティ(マネジメント手法、設計手法など)を要求しています。
安全プロセスは、目標とする安全度水準に従った固有のプロセスを作ってもよいですし、いくつかの安全度水準にも対応できる汎用的なプロセスを作ってもよいです。
また、安全プロセスは品質管理プロセスの上に作られることを前提としています。近年ではAutomotive SPICEやCMMIなど高度な品質管理プロセスが求められることが多くなってきています。

WITZの機能安全支援

WITZは2006年から機能安全について取組みを行い、
各社様のご支援だけでなく、自社の研究事業や業界団体への参画なども行うことにより、
豊富な知見と強みを持っています。

WITZの強みのイメージWITZの強みのイメージ

これにより、IEC61508、ISO26262、ISO13849などの幅広い機能安全規格の支援実績と、
自動車OEM/Tier1/Tier2サプライヤ、鉄道メーカー、建機/農機メーカー、ロボットメーカーなど、
約300プロジェクト、100社以上の支援実績があります。

WITZでは、機能安全規格対応を支援するために以下のソリューションを展開しています。

  • 機能安全セミナー
  • 貴社製品向けのハザード分析&リスクアセスメント
  • 貴社製品向けの安全設計
  • 機能安全プロセスの構築(品質管理プロセスも対応可能)
  • 機能安全対応ソフトウェアの開発

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